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自費出版の疑問あれこれ④ 返本とは?

自費出版の疑問あれこれ、第4回は、返本について。自費出版に限らず、出版界にとって、最も重要な問題のひとつでしょう。

要は、売れ残って、販売されなかった本が、書店から出版社に戻ること、をいいます。皆さんは、この返本、発売されてから、いつくらいから始まるか、おわかりでしょうか。つい数年前まで、早くて1ヶ月などといわれていました。とんでもない話で、今では、1週間で始まるところもあります。長い時間かけてつくった本が、1週間で返本、寂しい話です。ですから、アマゾンが重宝されることになるのですが、リアル書店の場合、棚やスペースの問題があって、仕方ないといえなくもない。

そもそも、昨今、活字書籍は売れないのに、出版点数は増えている。大手出版社は自転車操業である一方、自費出版による書籍が増えているのですから、返本が増えるのも当然ともいえるでしょう。

さて、そのパーセンテージのことを、返本率といいます。2013年はどうだったのかというと、「書籍」が37.5%、「雑誌」が38.8%。4割弱が売れ残ったわけですね……。ただ、これはあくまで全体の数字です。裏を返せば、全体でも4割が売れない。となると、自費出版ではどうだろう……。言わずもがなですね。

ところで、返本となった本は、どうなるのか。多くは、倉庫に眠ることになります。「安く売ってしまえばいいじゃないか!」と言う方がいるかもしれません。しかし、本は、再販制度という仕組みがあり、定価より安く売ることができません。つまり、鮮度が落ちたとしても、値段を下げて、販売することはできないのです。

では、返本を減らすには、どうしたらいいか。

大きく2つ、考えられると思います。

1つは、大部数を刷らないこと

昨今、大手出版社でも、初版で、万単位刷ることは、よほどありません。文庫や漫画くらいでしょう。単行本なら多くて、千単位です。全国にリアル書店は、4000店といいますから、すべてに行き渡らない。ようするに、全部に行き渡らせたところで、ほとんどの書籍が売れ残るわけです。自費出版の場合、千単位で印刷することは、大変な冒険だと思ってください。

もう1つは、鮮度を長持ちさせる内容の本をつくる、こと

ビジネスやニュース関連の情報を扱った内容は、特に鮮度が落ちるのが速いですね。これは仕方ないにしても、他のジャンルの本であるなら、いつ読んでも色あせない、普遍性のある内容にすることが大事です。

つまり、流行を追う切り口ではなく、いつの時代でも売りやすい本をつくることです。

たとえば、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」に関する本をつくるとします。2014年現在で、ダ・ヴィンチの話題は多くありません。しかし、来年、再来年と、どこかの大きい美術館で展覧会が開催されたとします。または、何年後かに、節目の年、「没後●●年」「生誕●●年」がやってくるかもしれない。そうなれば、2014年に出版したとしても、売る機会が新たにつくれる。

こうやって、本づくりをしていけば、仮に発売して、1週間で返本になっても、長い目で見れば、売るチャンスはある。本づくりは、先を見据えて、辛抱強く売っていくしかありません。

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