ページ構成の方法

書籍にはルールがある!

本にはルールがある?

自費出版をするとき、コストを下げるためには、「完全データ入稿」が必須。でも、これって、結構、ハードルが高い……。なぜなら、普通、どのように本が作られるか、ページはどう構成したらいいのか。つまり、「本のルール」を知っている人が少ないからです。

「え? 自分の好きなように、作ってはダメなの?」

と、お思いの方もいるでしょう。もちろん、それでも構いません。しかし、大切な人に読んでもらいたい。販売したい。と考えているのであれば、自由に作るより、「本らしい」体裁を整えたいものです。

では、どうすればいいのか……。

本のページは8、または16の倍数で構成される

他のページでも触れていますが、通常の書籍は、印刷・製本の関係上、ページが8、または16のページで構成されています(サイズにより、変更します)。となると、「100ページの本を作りたい」という願いは叶わないことになります。

一番近いのは、96ページ、104ページなどとなります。

もちろん、100ページちょうどの本を作るのも可能です。しかし、それは、「本らしい」、つまり、通常の書籍とは異なる体裁となります。場合によっては、「これはシロウトが作ったなあ」と、うがった見られ方もされるかもしれません。

それならば、このルールは守ったほうが、ベターでしょう。

ページに必ず入れるものとは?

どの本にもあって当然のもの。

これを考えてみると、本のルールはわかりやすいでしょう。お手元にある本を何冊か見比べてみてください。いろいろお気づきのことがおありでしょう。

・大トビラ
・目次
・章トビラ
・奥付

上記、4点。これは、おおむねどの本にもあります。

大トビラとは?

本の最初のページをめくってみてください。

本のタイトルと著者名などが書かれているページがありませんか? これが、「大トビラ」です。本文とは違った「いい用紙」を使っている場合もあります。

これは通常、必ず入れます。そして、通常、裏は白のママです。

目次はどう作る?

目次があるのとないのとでは、本の読みやすさが格段に異なります。目次がないと、読みたいページが探せない。これは、相当のストレスとなります。

では、どう構成すればいいのか。

まずは、章立てをしっかりすること。そして、その中に、項、または節を設けて、細分化します。通常、目次には、章とこの項、または節のページ番号を入れます。

要注意なのが、目次は、最後に作るということ。よく最初に目次を作る人がいます。おそらく、目次が最初の方のページにあるので、そういう手順を取りたいのでしょうが、それでは、いつまで経っても、本づくりは進みません。

初校、再校などを重ねていくうえで、不要のページや削る文章が増えれば、章のページ、項などのページ番号はずれていきます。それに、章のタイトルなどを変更することもあるでしょう。こういうことを考慮し、目次は最後に作るのです。

章トビラとは?

厳密にいえば、これは、必須ではありません。章トビラの便利なのは、ページ構成の調節で使うことができること。どういうことかというと、どうしても、本を作っている過程で、上記の8の倍数などにならない場合があります。

「あと2ページ足りない」

などのお悩みはあるはずです。

そんなとき、トビラで調節します。

たとえば、4章まである本なら、章トビラは4つ。そして、章トビラの裏のページは、通常「裏白」といい、無地にするのです。ただ、どうしても、ページ構成上、裏白にすると、ページに端数が生まれる、という場合もあるでしょうから、そのときは、章トビラの裏に本文がきても仕方ないでしょう。

要注意なのは、縦書きの本ならば、章トビラは、必ず「左ページ」にくるということ。なぜなら、トビラは「開く」ものだからです。とはいえ、今は、右にきているものもありますし、見開きでトビラを作ることもあります。

奥付には何を記載すればいい?

奥付は、いわば本のプロフィールです。では、何を記載するのか。通常は下記の情報です。

書名(副題も含む)
初版発行日(重版の場合も、発行日を記載)
著者名(監修者や訳者も含む)
発行人名(出版社の社長名、もしくは著者)
発行所名(出版社名)
発行所の所在地、電話番号など(または著者の連絡先)
印刷所名(製本所を含む)
ISBNコード
著作権者名
注意事項

これは解説するまでもないですが、補足しますと、「注意事項」について。

「落丁本、乱丁本の場合、小社にご配送ください。送料、小社負担でお取替えします」

というようなことを記載します。

また、著作権法に関する複製禁止の旨も記載します。

おおむね、こういうことにご注意されれば、「完全データ入稿」のハードルが、ぐっと低くなるはずです。

もちろん、それでも、ハードルが高いようでしたら、お気軽にお尋ねください。