用紙について

本には欠かせないものだから……

出版・本づくりにおいて、重要な要素はたくさんあります。そのなかで、最も重要といえるものの一つが、用紙選びではないでしょうか。表紙の用紙、本文の用紙をどうするか……。これで、本の価値が決まるといっても過言ではありません。

用紙サンプルいろいろとはいえ、用紙って、あまりにたくさんあり過ぎて、どうしたらいいのかわからない……。

そうお思いの方が多いのが現状です。しかし、実際、出版で使用される用紙は、およそ「定番」と呼ばれるものがあります。このページでは、その定番にのっとって、また、こういう用紙もいいですよ、というオススメもご紹介します。

表紙カバーには、pp加工を!

「本の顔」でもある表紙。日本の書籍の多くは、「表紙カバー」が付いています(「ブックカバー」とは言いませんので、ご注意)。その役割は、本を目立たせるといった装飾の意味合いが強いですが、別の目的もあります。本を運搬したり、納品するとき、どうしても擦れてしまいます。すると、本に傷ができたり、汚れが付いたりします。表紙カバーは、それらを防ぐという用途もあります。

ただ、カバーを付けていても、カバーが傷ついたり、汚れたりするのは嫌ですよね? そこで、よく行うのが、「pp加工」です。かんたんいえば、表紙カバーのコーティングです。これには、「グロス」と「マット」があります。よくファッション雑誌で使われるのが、ツルツルした「グロス」。光が当たると、その光沢がよくわかります。一方、「マット」は、表面がざらざらした感触。あまり光沢を持たせたくない場合に使います。

表紙カバーには、コート紙が基本

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では、表紙カバーによく使われるのは、どんな用紙か。結論からいえば、「コート紙」です。お手元にある書籍のうち、ほとんどのものがコート紙といっても過言ではありません。発色がよく、フルカラーに最適な用紙です。それほど、オーソドックスなものです。さらに細かくいえば、コート紙の110kgか135kgです。これは、厚みのことをいいます。薄すぎると耐久性が弱い。かといって、厚すぎると、カバーを折る個所(袖といいます)がヒビ割れてしまいます。ですので、上記のどちらかがいいでしょう。

そして、これにpp加工を施せば、おおむね、皆さんがイメージされる表紙カバーです。

帯にも応用する

書店販売などの商業出版・自費出版の場合、多くの読者を引きつけるために、「」を付けます。ここには、宣伝文句やキャッチな言葉、著名人のコメントや写真などを載せます。特に販売に関して、重要な役割をします。

この帯も、表紙カバーとセットの用紙にするときれいな本となります。あるいは、帯は使用面積が少ないぶん、カバーよりもコストは下がるので、少しぜいたくをして、特殊紙を使用することもあります。

表紙本体は、少し厚めに

表紙本体」といっても、あまりピンとこないかもしれません。かんたんにいえば、表紙カバーをはずした状態の書籍の本体の表紙のことをいいます。上記でも触れましたが、表紙カバーは日本の書籍に多く、海外では、カバーを付けず、表紙本体のままです。いずれにしても、表紙本体の用紙は、製本の耐久性を持たせるためにも、厚めにしないといけません。

表紙本体では、アートポストがよく使われる

では、表紙本体では、どういう用紙が使われるのか。多いのが、「アートポスト」、つまり、「アート紙」です。ポストカードなどにも使われます。厚さは、180kgでいいでしょう。表紙本体は、通常、カバーで隠れる個所ですので、フルカラーではなく、モノクロにするのが一般的です。pp加工もあまりしません。

■見返し用紙は、せっかくだから、カラフルに、オシャレに

表紙本体の裏側にあり、本をめくると最初にあるカラフルな用紙……。これを「見返し」といいます。役割は、装飾と耐久性です。よく「遊び紙」ともいわれますが、見返しはそれほどコストのかかるものではありませんので、特殊紙を使うことが多いです。「タント」などの用紙で、100kgなどがいいでしょう。

■活字メインのモノクロの場合は?

小説や詩、ノンフィクションなどの場合、活字がメインですので、カラーはモノクロ1色の場合が多いと思います。

その場合、コストを下げたいのなら、「上質紙」か「クリームキンマリ」、または、「クリームシフォン」が一般的です。これらは、もともと紙色が「クリーム」で、「白」ではありません。ただ、これらの用紙は、色が染み込んでしまうので、フルカラーには適しません。

厚さですが、基本的には、90kgがいいでしょう。厚すぎるとページをめくりづらいですし、薄すぎると、安っぽくなってしまいます。

■イラストや写真メインのフルカラーの場合は?

絵本や写真集など、画像がメインの本は、フルカラーとなります。そのときに、最もコストを下げたいのなら、前出のアート紙やコート紙、または、「マットコート」となるでしょう。厚さは、やはり90kgがいいでしょう。ただ、画集などの場合ですと、結構厚めでもいいかもしれません。

ここ最近流行りとなっているのが、「嵩高微塗工紙」(かさだかびとこうし)です。例を挙げるなら、「スノーフォース」。これは、特殊紙よりはコストが下がり、アート紙などと違って、しっとりした感触があります。弊社でも、よくオススメしています。ただ、難点は、結構色が沈んでしまうことです。黒のベタ塗りをすると、前のページに色が移ってしまうという点も注意が必要です。

■コストに余裕があり、紙にこだわりたいなら

用紙の種類はいろいろある比較的コストに余裕があり、ほかと違った本がつくりたい、という方には、特殊紙がオススメです。とはいえ、その種類は相当数が……。代表的なものとして、「レザック」(その名のとおり、「革」のような模様が入っています)「エンボス」「タント」ミューズ」「キクラシャ」「ヴァンヌーボ」「ホワイトエクセルケント」……。特殊紙を使いたい方は、用紙サンプルを見せてもらうのがいいでしょう。

ちなみに、弊社刊行物『カチカチ山』は、表紙をホワイトエクセルケント、本文にヴァンヌーボを使用しています。

まとめとして、用紙を選ぶうえで、ご自身の気に入った本などを参考にしてください。または、用紙サンプルなどを見せてもらいましょう。ただ、気に入ったから、この紙を使うというのではなく、書籍に合った適切な用紙を選び、コストに見合ったものを選ぶようにすべきかと思います。

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