ストーリー

何を重視して絵本を作るのか

■ストーリーが先か、絵が先か

絵本に欠かせないものは、ストーリーと絵です。ストーリーがあって、それを補完する形で絵がある……。普通ならそう考えがちです。はたしてそうでしょうか?

「絵本」というからには、絵が中心で、ストーリーはむしろ絵を補完するもの。そう考えることもできると思います。しかし、それは単体の絵に関して言えば、そうなのかもしれません。

絵本は、最低でも16ページで構成されている書籍。一般的には最初から最後まで一貫した「筋」=ストーリー(物語)があると考えられます。

そう考えたとき、連続性というものが必要です。となると、それを作るのは、やはりストーリーということになる。

つまりは、絵本を作る、出版すると決めた段階で、ストーリーが先行して存在した方が、取っかかりとしては最善と言えるでしょう。

■ストーリーはどう作るのか

前置きが長くなりましたが、実際にストーリーはどう作るのか。考え方としては、以下のことを念頭に置きましょう。

予算重視とするか
ストーリー重視とするか
描きたい絵の点数重視とするか
ページ重視とするか

では、順を追って見ていきましょう。

①予算重視とするか

予算については、「費用(絵本)」のページを参考にしてください。ここでは、簡単に触れておきましょう。

自費出版する場合、当然、予算は決めておくべきものです。どんなにいいストーリーができ、絵がたくさん描けても予算次第では、全部を形にすることはできないかもしれません。

まずは、予算に基づいた出版計画を作り、見積もりを取った上で、現実的にどういった絵本を作ることが可能かを知りましょう。それをベースにストーリーや絵を作っていくのが、予算重視の進め方です。

完成している、あるいは想定しているストーリーが予算内で収まるページを超過しそうならば、ストーリーを削ったり編集し直す必要があります。

②ストーリー重視とするか

何はともあれ、すでにストーリーが完成している。それを単に活字として出版するよりも絵本として出版したい。そういう方もいるでしょう。

その場合は、ページ数を考慮して計画するといいでしょう。

例えば、ストーリーの字数が1万字だとします。それを何ページに構成するのか。書籍は8の倍数ページで成り立っています。絵本は通常、絵をメインにレイアウトしていきますから、ページ当たりの字数は活字メインの書籍より減ります。

仮に1ページ当たり400字を掲載するとしたら、25ページとなります。絵本としては、決して多いページ数ではありません。むしろ、手頃といえるでしょう。

ただ、ページ当たり400字では多い印象です。それならば、もう少しゆとりを持たせて、全体を40ページと想定しよう。というように計画を変更します。

③描きたい絵の点数重視とするか

ストーリーの内容に基づき、描きたいシーンやモチーフが当然あると思います。あるいは、描きたい絵の点数が10点ある。けれど、今のストーリーでは10点も必要ない。ということもあるでしょう。

その場合、絵の点数に合わせてストーリーを書き足す必要が出てきます。実は、これは結構大変な作業です。削ることより足す方が難しいですから。

ヒントとしては、やはり何を描きたいか。その原点に帰ることでしょう。自分はどういう絵を描きたいのか、どういうシーン、モチーフを描きたいのか。それを突き詰めていけば、自然な状態でストーリーを加筆することができると思います。

④ページ重視とするか

これは①の予算とも関わってきます。しかし、それとは別に絵本のイメージとも関わりがあります。

おそらく人々が抱く絵本のイメージは異なります。幼児向けの童話絵本、ストーリーメインで挿絵が入っているような創作絵本、ほとんど文字のない絵本…といった内容面において絵本をイメージしている人もいます。

かたや、体裁によって絵本を定義づけしている人もいることでしょう。「16ページのA4判のフルカラーが絵本」「いや、24ページか32ページが絵本」「40ページ以上は多すぎるから絵本じゃない」というように、体裁によって絵本をイメージしている人もいます。

④の場合は、後者の考えに近いと思います。「絵本は32ページくらいが妥当」と考えているなら、そこは譲れなくなってきます。自ずと予算も決まってきますし、ストーリーの文量も絵の点数も決まってきます。ある意味では、最も制約があると言えますが、考えようによっては、最も絵本を作りやすくなるとも言えます。

ページ数に限りがある場合は、それによってストーリーを割愛、または追記する必要が出てきます。そうなると作業は大変なので、ページを重視する方は、事前にページを決めた上で、ストーリーを考え、構成するといいでしょう。