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小説の書き方講座⑥「一人称か三人称か」パート3

さて、小説の書き方講座の第6弾、引き続きテーマは「一人称か三人称か」です。今回からは、ひとまず三人称について言及します。

三人称の書き方としては、下記のようなものが考えられます。

たとえば、主人公を「太郎」とし、その恋人を「花子」とします。その他の登場人物は、AとBとしましょう。この場合、「誰の目線」で物語が語られていくのか。一人称でいうところの「私」などに当てはまる人物を決める必要があります。これを「視点人物」といいます。この場合は、まず主人公の「太郎」の視点から物語が語られていくのが自然でしょう。

太郎は大学の門をくぐると、AとBと一緒に花子がいることに驚いた。昨日まで、花子はAとBと喧嘩をしていたからだった。太郎は、このような光景を見たくはなかった。だから、彼らから視線をはずした。その視線の先には、桜の花があった。これから色づくと見られたが、太郎はその花をむしり取りたい欲求に駆られた。

こういった文章があったとします。視点人物は「太郎」ですから、見えている情景や心情は、すべて「太郎」を通して読者に示されていきます。ここまでは、一人称と変わりがないと思います。

ただ、三人称と一人称の大きな違いは、場面や章ごとに視点人物を変えることができるということです。これが、三人称が「神の視点」といわれる所以です。上記の文章が、第1章に書かれているとし、第2章は「花子」視点で語られる。そういうこともありえるわけです。

花子は、あのとき、背中に痛い視線を感じていた。露骨に振り返るわけにはいかなかったが、ちらっと後ろを見たとき、人ごみに太郎の姿があるのを認めた。花子は、彼が自分を軽蔑しているだろうと思った。だが、AとBの胸を突き押して、駆け出すようなことはせず、彼らに愛想笑いを浮かべるしかなかった。

つまり、同じ場面を「太郎」視点、「花子」視点で繰り返しているのですが、こういうことが許されるのが三人称の大きな特徴です。

短編ならまだしも、中編、長編となると、登場人物が増えてくるでしょうし、特にミステリ系ともなると、一人称では描ける場面が限られてしまいます。そういったときは、やはり三人称が適しているように思います。