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小説の書き方講座⑫「どう書き進めていくか」

だいぶ間が空いてしまいました。久しぶりの小説の書き方講座、第12弾。今回のテーマは、「どう書き進めていくか」です。

■一気に書くか、途中で読み返すか

小説の長さにもよりますが、一気に書くか。それとも途中で読み返すか。結論からいえば、やはり途中で読み返すのがベターでしょう。

仮に原稿用紙50枚程度の短編を書くとします。そのとき、構想どおりに書ける、構想どおり書いた方がおもしろい、あるいは書く時間がある、というのでしたら、一気に書いてしまってもいいと思います。ただ、それから2週間くらいは寝かせましょう。とにかくどれだけ客観的になれるかが重要ですから、一気に書いてしまうのなら、一度忘れるくらいまで放っておくに限ります。

一方、250枚程度の比較的長めのものを書くとします。まず、構想どおりに書こうと思っても難しいでしょう。途中で筆が止まってしまい、「このまま書いてしまっていいんだろうか」と不安になるかもしれません。ただ、それは当然のことだと思います。物理的に考えても、250枚を一気に書ける人はほぼいないでしょう。仕事を持っている人であれば、なおさらです。となれば、自然に書きつないでいくことになります。そう割り切っていく方がいいと思います。

■前回書いた分を助走にする

毎日小説を書く時間がある人はいいですが、そうではない人がほとんどでしょう。それに書く分量も日によって異なるでしょう。ベターな方法は、前回書いた分を読み返し、その勢いで今日分を書く、という方法です。もちろん、前回書いたところがおかしければ(誤植を発見するのではなく、内容の確認が中心)、そのとき書き直してしまった方がいいでしょう。その流れに乗って、先を書き進める。そうしていけば、案外、すっと筆が進みます。

■構想はあくまで構想

完璧主義者の方だと、自分の構想、プロットに沿って、小説を書きたがります。しかし、途中で軌道修正することは起きないとは限りません。そのとき、「ああ、また一からやり直しだ」と思う必要はありません。というのも、小説を書いていたら、予定とは異なる展開になるのは仕方ないことです。最も重要なことは、とにかく最後まで書くこと。そうでない限り、新人賞に応募することもできないからです。書き直すことは、応募する前であれば、いくらでもできます。それならば、まずは書き切ってしまう。それからしばらく寝かせ、だいぶ客観的になれたら、どんどん自分で赤入れをするのがいいでしょう。

■途中のものは、人に読ませるな!

前も書いたかもしれませんが、新人賞を狙っている方で、こういう方がいます。「まだ途中なんだけど、読んでくれますか」。これは、やめた方がいいです。そもそも途中まで読んでもらって、どうしたいのでしょう。「いい方向性だから書き進めてみれば」と背中を押してほしいのでしょうか。厳しい言い方ですが、それくらいのモチベーションであれば、新人賞には送らない方がいいでしょう。人に背中を押してもらわないと書けないのなら、それは本当に小説を書きたいわけではないでしょうから。

反対にいえば、勘違いだったとしても、「いいのが書けた!」と思えるものを、とにかく最後まで書き、その上で、人に読んでもらって、ダメ出しを受けた方がいいです。ただ、気をつけたいのは、読んでくれた人にも好みがあります。好みが合う=いい小説、とは限りませんし、逆も然りです。案外、自分の良さを否定され、それをすべて削いでしまった、なんて結果にもなりかねませんから、すべてを鵜呑みにしないことです。そのためにも、なるべく自作に対して、自分が客観的になることが重要です。結局は、自分の物差しをちゃんと持つことが大事ですから。